前回までの凡人就活
部活とバイト以外にとりたてて何もしてこなかった典型的な量産型大学生だった私。就活という見えない恐怖感に立ち向かうべく、なんとなく実家近くの企業のインターンの申し込みをポチるのであった。3回生6月の出来事である。
合同説明会もサボる男
6月に応募したインターンシップの実施日は一か月後の7月であることが分かった。
6月といえば、例年マイナビが合同説明会なるものを開催する時期である。
合同説明会、いわゆる「合説」っていうのは、なんちゃらドームみたいなでっかい会場で、数百社の企業がブースを開き、就活生が話を聞いて回る、シュウカツの祭典みたいなもんです。
例年は6月を皮切りに定期的に開催され、翌3月にピークを迎えるビックイベントだ。
本年はコロナ禍の影響もあり、開催を中止することが予想されるが、学生にとっては企業の生の声を聞ける貴重な情報収集の場であるとか。
「着席特典」なるものを設けている企業も多く、説明を聞いてくれた学生にはES(エントリーシート・・・書類審査みたいなもん)通過確約といった、おいしいエサにありつけるのだ。
さて、結論から言うと、年に何度も開かれるこの合説に私は一度たりとも参加していない。
理由は明白。キショイからだ。
あと、めんどくさいから。
着なれないリクルートスーツに身を包み、ネクタイをキッチリ締めて、狭い会場にすしずめにされるのを想像するだけで息苦しくなってしまった。
毎年ニュースで見る、無個性で真っ黒なユニフォームを着させられている就活生の姿に自分を重ねると、なんだかシュウカツセイに染められたって感じがして嫌だったのだ。
人と違うは人と同じ
量産型には二つのタイプがあると思う。
一つは世間の空気感に疑問を持つことなく流され、誰が決めたかも分からない価値観に追い立てられ続けて人生を生きる「鵜呑み型」。
それに対し、「自分は周りとは違うんだ!」と、周囲の鵜呑み型量産人間との決別を図ろうとすることでのみ個性を主張する「否定型」。
後者は一見独自性があるように見えて、常に周りを伺い、否定することでしか主張ができない。
いわば、ずっと後出しジャンケンをやっている状態で、それでいて勝ち誇った気でいるのだ。
このタイプは鵜呑み型を常に見下し、自分が少数派であることに誇りを持っているが、残念ながらそう思っている人は意外と多く存在する。
「自分は量産型じゃない!」と声高に見栄を切っている時点で、量産型なのかもしれない。
そう、何を隠そうこの私も「否定型量産人間」の一人だったのだ。
「自分はあんな風にロボットみたいな就活生にはならない!」
サラリーマンを見下し、大口をたたいている割に、経営者になる努力も、自分で金を稼ぐ方法を考えて実行してるわけではない。
その根底にあるのは腐った虚栄心と怠惰の塊なのである。
「キショイから」
「めんどくさいから」
こうした言葉が物語っているのはそういうことだ。
合説には行くべきか
「合同説明会は行くべきか。」
という問いだが、それは当然行ってみるべきだと思う。
企業人の声を聞くことのできる機会はそう多くない。
ただ、そこに目的意識があるのかどうかで成果は変わってくる。
「みんなが行くから」では、鵜呑み型量産人間となってしまうし、内定の数が増えるかというと、まったくもってそんなことはない。
実際に私は合説に一切参加していないが、こうして内定を保持することができている。
そこで凡人諸君には、気になる企業や業界の何を見に行くのか、聞きに行くのか、あらかじめ考え、文字に起こしておくことを推奨する。
働き方、キャリアステップ、製品、福利厚生、ビジネスモデル、社員の雰囲気、将来性…
何に興味を持って、何に嫌悪感を示すのか、説明会の中で感じたことと、あらかじめ用意していた私見を照らし合わせてみよう。
それは必ず、自分の独自の価値観の発見につながり、後の面接に大いに役立つ。
なによりも、そうして自己を確立していくことこそが量産型人間を脱却するための、凡人にとっての就活なのであると思う。
ちなみに、合説にはさまざまな種類がある。
業界を絞ったものや、地元の企業が集まるもの、小規模で密な時間を過ごすことのできるものなど、開催する企業やイベントによって参加企業や色がかなり変わってくるので、いろいろ調べてみよう。
あ、今の時期に「密」は厳禁だったか。
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