「NextStageネクステージ」通称”ネクステ”。
受験界隈では定番中の定番として知られる文法書。
各方面で「これさえマスターすれば文法はOK!」と太鼓判を押されています。
しかし、これを使っても成績が思うように上がらない受験生が毎年のごとく続出しています。
そこのあなたも、「ネクステ難民」の一人なのではないでしょうか?
- ワイも「ネクステ難民」だった。
- 打開のキッカケはあのサプリ
- サプリで見えてきた「ネクステの罠」
- ネクステで成績が上がる人と上がらない人の差
- 文法を修得する方法
- ネクステの本当の使い方
- ネクステの前にコレ!オススメ参考書!
- ワイの思うネクステの正しい使い方まとめ
ワイも「ネクステ難民」だった。
「自分は人より物覚えが悪い劣等生なんだ...」
「何がダメなのかな...」
落ち込む気持ちは痛いほど分かります。
なにせ私も同じ経験をした受験生でした。
正確には私は「スクランブル」を使っていたんですがね。同じようなもんです。
(「スクランブル」は「ネクステ」とほぼ同じ形式の文法参考書で、似たようなものに「ヴィンテージ」や「頻出英文法語法1000」等がありますね。)
「スクランブル」は高3の時に学校で配られて、時々授業で使ったり、現役の秋前くらいまでは頑張って回していました。
でも、なかなか成績が上がらない。
右ページの解説。覚えたつもりでもすぐに忘れるし、覚えても、違う問題になると応用が利かないし。。。。
「これをやれば受かる!」と言われている以上、単に自分に忍耐力が無いだけなのだと、記憶力が足りないのだと、自分を責めながら今日も魔導書のように分厚いカタマリを1ページ1ページめくる日々。。。
打開のキッカケはあのサプリ
現役の夏明けの全統模試での英語の成績は128/200。
「このままではダメだ」と、思い切って学習方法を変えました。
今までの、「スクランブル」中心から、「スタディサプリ」に登録して、文法を学び直そうと決意したのです。
その後、約一か月後の全統模試では168/200と、大躍進を遂げたのです。
サプリで見えてきた「ネクステの罠」
では、スクランブルの学習と、スタディサプリの講義では何が違ったのでしょうか。
スタサプの関先生は徹底的に「脱・丸暗記」を訴えています。
https://twitter.com/sekimasao/status/1108585527228268545
「脱・丸暗記って具体的にどんなことを教えてくれるの?」
授業を受け、彼の著書も購入した私が感じたことは、「ルールが成立する背景、ネイティブの考え方を学ぶ」ということです。
予備校講師や、受験アドバイザーに対して「耳障りの良い、せこいテクニックを広めているだけじゃないの?そんなん邪道やろ?」と疑っている人に聞いてほしいのですが、彼の言っていることは真逆でした。
本質から攻める。
考えてみれば、文法でもなんでも、ルールというものは、プレイヤーの考え方や、思い、理屈があって成立するものではないでしょうか。
「試合中に故意に押し倒すのは人道に反する」という”理屈”があるから「ファール」という”ルール”ができる。
英文法もこれと同じなのです。
「ネイティブは神様の視点で物事を捉える」という理屈があるから「change trainsと複数形にすることにした(神様視点の空から見れば、乗り換える電車は複数見える)」というルールが出来た。
このように、「理屈(本質)から攻める」というのが関先生のスタイルでした。
本質を押さえれば、ルールの丸暗記から解放され、簡単には忘れない。
これは英語だけでなく、受験勉強、いや、学習全てに言えることなのだと、この時実感しました。
ネクステに話を戻しましょう。
上記の点から考えてみると、ネクステは「理屈」の解説をすっ飛ばして、「ルール」を列挙している参考書なのです。
本質無しでルールを丸暗記しようとしているから得点に繋がらないのです。
武田塾のサイトでも、ネクステの使い方について注意書きがされています。
ただし一点注意があります。
それはなぜその答えになったのかの根拠を答えられる状態にすること。
解答を丸暗記しても意味がありません。
ネクステージは左側に問題、右側にその解説や回答が書かれているという構成ですが、右側に書かれている情報を丸暗記しても実際の試験では役に立ちません。
やった問題がそのまま出る定期試験のようなテストであれば丸暗記的なやり方でも点が取れますが、入試ではもちろん解説ページなどついていないからです。
なぜその答えになるのかを左側の問題文と選択肢を見ただけで自分の言葉で言えるようにしてください。
あなたは、本質を意識して勉強できているでしょうか?
今一度ご自身の勉強方法を振り返ってみてください。
ネクステで成績が上がる人と上がらない人の差
とはいえ、本質無視のネクステを使って成績が伸びている人はたくさんいます。
だからこそ、1999年の刊行以来、受験業界に泰然と腰掛ける参考書になっているのです。
では、そんな人とあなたの違いは何でしょうか?
私が思うに「経験の差」が原因です。
トランプゲームの「大富豪」をするとき、全くルールの知らない友人がいたとします。
そんな時あなたは、「とにかくやってみようぜ!」とか、「一回見といて!」って言うんじゃないですか?
つまり、ルールを知る近道には「経験的に身体で覚える」という方法があるのです。
大富豪というゲームがどのように始まり、進み、終わるのか。
全体像や、細かいルールが適用されるタイミングなど、一度ゲームを見たことがあるから正確にルールを記憶できる。
ネクステを使って成績が上がる人は、授業や予備校で、ある程度の文法知識と演習をこなしてきた受験生なのだと思います。
受験でどんな問題が出て、どのような文法知識がより重要になってくるかということを肌感覚でなんとなく把握しているからこそ、「ここは大事だ!」というように、ネクステへの力の入れ方が分かっている。
経験つっても、ただ問題を解いたっていうだけじゃダメなんすよね。
一方で、現役の時の私もそうでしたが、ろくにセンターの過去問も解いたことがない状態で、「ネクステ」や「スクランブル」に手を伸ばしてしまう。
文法の重要性も分かっていないし、演習が足りないから定着もしない。
ただただルールブックをなぞっているだけなんですよ。
そんなんじゃ成績なんて上がりませんよね。
文法を修得する方法
以上のように考えると、文法というルールを身に着けるためには主に二つのルートがあります。
①理屈から演繹的に攻めるか
②ひたすら実践して経験的に体得するか
①の場合は上述の通りに、サプリや、理屈の書いてある参考書をこなすと良いと思います。
しかし、②の場合はどのくらいまで実践すればよいのかは検討が付きません。
理想は、ネイティブがそうしているように「英語しかない環境で、英語で生活してみる」ということですが、そんなことできない人が大半ですよね。
私は①のルートを見つけて成績が上がったので、②のルートについてはあまり分かりません。
したがって、私が言えることは「現段階で成績に伸び悩んでいる人は、理屈も、実のある経験も備わっていないので、もう一度ゼロから文法を学び直そう」ということです。
その時の注意点を以下に記すので、学び直しの参考に。
- 自分の無力さを自覚する・・・身の丈に合った参考書を使う。
- 理屈、実践の両極端にならない・・・理屈ばっかり求めていたら時間が足りなくなります、逆もまた然り。
- 他人に説明するつもりで学ぶ・・・ルールなので、曖昧な説明は許されません。
- ネクステをいったん手放す・・・後述。
ネクステの本当の使い方
ここまで、ネクステの存在価値を否定しているような書き方をしてきましたが、決してそんなことが言いたいのではありません。
私はネクステで「文法を学ぶ」ことを否定しているのです。
ネクステは、「文法を確認するもの」なのです。
先にも述べた通り、ネクステは理屈と経験のいずれか、もしくはその両方をある程度兼ね備えた人が使うと最強なのです。
何の知識も無いお前が使っても宝の持ち腐れ!豚に真珠!ザコ浪人にネクステなんだよぉ!!!
こんなに熱くなってしまう理由は、ネクステの構成にフォーカスしてみると分かります。
ネクステは左ページに練習問題、右ページに軽い問題の解説と、覚えるべき文法事項が列挙されています。
文法の成り立つ理屈はカットされてしまっていて、どこにも見当たりません。
これは裏を返せば「うまくまとまっている」ということ。
だから、試験前や、ある程度文法を学んだ後に「確認する」のにうってつけなのです。
理屈を説明した参考書は分厚くなりがちですから、持ち運びにも便利なんすね。
そして、その確認作業の時にも、
「ネクステには『現在形の3用法』しか書いてないけど、現在形の核は『昨日も今日も明日も』だったよな。その理屈から生まれた結果を『3用法』っていうふうにまとめてくれてるんやんな」
なんていうふうに核、本質、理屈を意識しながら何周もするのが正解ではないでしょうか!
ネクステと一緒に「フォレスト」のような網羅系の文法書を辞書的に使えって言われているのはそういうことなんすよ!
ネクステに書いていない本質を吸収しろって事なんです。
ただ、私は「フォレスト」はおススメしないっす。
「フォレスト」は理屈では無く、ルールがより詳しく載っているってだけに思います。
場合によっては「こんなに覚えることあるんかよ…」と打ちのめされてしまいます。
ネクステの前にコレ!オススメ参考書!
「理屈理屈ってうるせえよ!!!」
っていう声がそろそろ聞こえてきそうなので、私の思う「理屈」の書かれたオススメ参考書を紹介します。
お次はこれ。
また関先生の著書ですが、これは私の受験生活が終わってから世に出たものなので、実際にやったことはありません。
書店で流し読みしたところ、先ほどのものとは内容的にはほとんど変わっていないものの、より洗練されている印象。
1.標準 2.応用 3.発展 と、レベル別に三冊に分かれていて、とっつきやすくなっています。
ポラリスとは「北極星」という意味だそうな。
全受験生にとって不変の本質を説いた、ブレない一番星となってくれるでしょう。
河合塾の成川先生の著書です。 辞書くらい分厚いですが、イラストを多用していて、ポップに英語の本質を説明しています。
OUTPUT編もあるので、両方購入してやり込めば、説明の仕方も一貫されているので、かなり力が付くのではないかと思います
ただ、関先生の説明に慣れた私が読んだところ、「ちょっと回りくどくね?」と思ってしまいました。
他にも東進信者は今井先生の「英文法教室」が良いなんて話も聞きます。
ワイの思うネクステの正しい使い方まとめ
- いったんネクステから離れよう!
- まずは理屈を説いた参考書で「学ぼう」!
- 次にネクステで学んだ文法を素早く「確認」しよう!
- 最後に、過去問などの問題演習で実践レベルにまで落とし込もう!
いかがでしたか?
長い記事を最後まで読んでいただいてありがとうございます。
ネクステを使って成績が伸びなかったのは決してあなたの責任ではありません。
あなたの能力が低いわけでもありません。
やり方が間違っていたことは事実かもしれませんが、正しい方法を学べる環境にいなかったのが原因です。
これまでの自分の無力さは環境のせいにしてみてください。
決して自分を嫌いにならないでください。
自分の可能性を自分で否定しないで下さい。
ただ、環境の悪さを認識した今ここからはあなたの努力次第です。
環境に原因があるなら環境を選べばいいし、情報が足りていないと分かったなら集める他ないです。
大丈夫。
あなたなら出来ます。
心から応援しています。
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