好きなことで生きていく…?
「やりたいことをやりなさい」
大学受験や就活など、人生の岐路に立った時に、必ず聞くこの言葉。
耳障りが良いようで、一番悩ませられるこの言葉。
まるで、好きなものが1つも置いていないバイキングに来たかのような、そんな感覚。
そう、選びたい放題だとは言っても、その中に好きなものが無いから困ってるんすよね。
私自身、受験の学部選びでは困ったことはありませんが、就活で困りました。
そもそも、人生をかけてやりたいことなどなかったのです
しかも、自分の今後の人生を考えたとき、「ただ好きだから」では済ませられないような気がします。
当然、稼いでいかなくてはなりませんし、社会的な地位も欲しい。
親戚や親の目も気になる。
「やっぱり好きなことで稼ぎたいけど、そんなもの見つかっていないし、でも、欲しいものは欲しい。」
こうした欲張りな自分に嫌気がさしてしまいました。
この記事を読んでいるあなたならば同じような悩みを抱えていることでしょう。
そこで、私の23歳時点での差し当たっての結論をお話したいと思います。
なんで「やりたいこと」が見つからないの?
やりたいことってどうやったら見つかるのでしょうか。
それも人生を賭けていいと思えるほどの熱情を注げるほどのもの。
23歳の私の答えはこうです。
「勉強して知識を得るしかない」
今夜のおかずは何にしますか?
おかずっつっても変な意味じゃないっすよ?
食べ物のおかずです。
カレー?寿司?ラーメン?焼き肉?おでん?
選択肢は無限にあることでしょう。
しかし、「やりたいことは何?」って聞かれて答えられない人は、驚くことに
「カレー、寿司、ラーメン」
の3つくらいの中から選ぼうとしているのと同じことをしているんすよ。
世界には、数えきれないほどの料理があるはずなのに、カレー、寿司、ラーメンしか知らない状態で「好きな食べ物は?」って聞かれているんです。
そんなもん、カレーも寿司もラーメンも嫌いだったら、一生マズイ飯を食って生きていかなきゃならんことになりますわな。
何が言いたいかっていうと、「やりたいことが無い」っていう人は選択肢の幅が狭いんですよ。
世の中にはトンカツや、アクアパッツァ、フォー(ベトナムの郷土料理)、その他見たことも味わったことも無いものがたくさんあるはずです。
同じように、システム開発の仕事や、エレベーターの点検業者、ブロガーなんて言うのも立派な仕事。
食べ物の種類ほどでないにしろ、世の中にはあなたの知らない職業や学術的な分野は山ほどあります。
また、同じ分野でも細分化してみるとまた違った風に見える。
「カレー」と一口に言っても、「南インド風」もあれば、「欧風」もあり、「スープカレー」なんかもある。
同じように、「経営学部」と一口に言っても、「企業戦略」の分野もあれば、人事分野の「組織経営」もある。
「教師」といっても、予備校講師もいれば、小学校で働くのと高校で働くのではまるで違います。
こんな風に解像度を上げてみると、それこそ★の数ほどの選択肢が現れるわけです。
このように、やりたいことが見つからない原因として、①選択肢の少なさと、②解像度の低さが考えられます。
悩んでいても、迷っているわけではない
「やりたいことが無い」と悩んでいる人の多くが、上述のように、少ない選択肢の中から「好きなこと」を選ぼうとしているように思います。
つまり、あなたは複数の魅力的な選択肢を抱えていて、どれを選ぼうか迷っているわけではないのです。
いつか「やりたいことが降ってくる」と無意識に信じこんで、自分は無能だと、才能がないと、自分を哀れんでいるに過ぎないのです。
それでもたまたま短い人生で大好物を見つけられた人が、プロ野球選手になったりする例はあります。
しかし、99%の凡人に対して「これはどう?こっちは好き?」などと手を差し伸べてくれる慈善団体も神様もこの世には存在しません(信じるのは別ですが)。
自ら能動的に動き出さなければいけないのです。
勉強するために勉強する
選択肢の幅を広げ、解像度を上げるために、能動的に動き出せば、変わる。
では、具体的にどうしたらよいのでしょうか。
「勉強する」。これに尽きます。
学部選びなら、世の中にどんな学部があるのか。
就活なら、世の中にどんな職業があるのか。
これは単なる「情報収集」とは異なります。
インターネットや書籍で情報を集めることも大事ですが、あなたは今から人生を捧げるような選択をするのです。
どこでゆがめられているのか分からないメディアの情報に踊らされて、「やっぱり思ってたのと違った」では笑えないわけですな。
大事なのは自分の足を動かすこと。
先輩や教授に話を聞きに行ったり、大学に潜り込んだり、インターンシップや企業説明会に足を運んだり。
自分の舌で味わってみることで初めて、「トンカツ」という食べ物が自分の舌に合っているのかそうでないのか判断できるわけです。
そこからようやく、「迷い」始めるわけです。
すべての恐怖の原因は無知です。
幽霊も、受験も、未来も、その対象がどんなものなのか、次に何が起こるか分かっていれば決して怖くはないはずです。
だからこそ、イメージで塗り固められた恐怖に悩み苦しむ現状から抜け出すためには、勉強して知識と経験を身に着けるほかはないのです。
世の中、意外と学びたいという人には優しい人が多いので、「そんなん無理やろ」と決めつけず、周囲に助けを求めてみましょう。
おまえはどうやねん
最後になりましたが、かくいう私もやりたいことを見つけたわけではありません。
そもそも「一生続けられること」を探すことはとても難しいです。
それに、「やりたいこと」を見つけた人が偉いとか、そうでない人はゴミだとか、そんな話でもないと思います。
ただ、何もせずに悩んでいるだけなら、勉強して視野を広げたほうが自分にとって面白いと思える選択肢が増えることは確かです。
私の就職先は中小企業のコンサルティング会社ですが、別にそこに骨を埋めようと思って決めたわけではありません。
高校のころから経営コンサルタントに憧れていたのは事実ですが、「一生やり遂げられる」ほど情熱を注げるかは分かりませんし、私程度のアタマで食っていけるかどうかも分かりません。
ただ、興味のある方角であったことに違いは無いので、その中でも自分が何が面白いと感じるのか「勉強しにいこう」と思って入社を決めました。
この先私の人生がどうなるかんて分かりません。
入社後3か月で辞めているかもしれません。
定年まで働き続けているかもしれません。
それはすべての人に言えることだと思います。
「別に今スグにやりたいことを決める必要なんてないんだ。会社に入ってから見つけるっていう選択肢もアリなんじゃないか。」
そう考え始めると心が楽になりました。
しかし、それは同時に諦めであったことも自覚しています。
自分の適性を確かめたり、もっと勉強できることはあったのではないか。
就職が決まってからも悩み続けています。
ただ、受験や就活といった期限が決められている以上、どこかで区切りをつけて決断をする必要があります。
いつまでも悩んでいては肝心の受験勉強や就活に時間をつかうことができません。
そうなんです。時間が無いんすよ。
貧乏暇なし、とはよく言ったものです。
だから、そこの凡人のあなた。
自分の弱さを自覚して、ひたすら急ぎましょう。
口を開けて寝そべっている暇はありません。
自分の足で、歩き出しましょう。
これが、23歳の私の答えです。
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